トイレリフォームの際に、手洗い器を新たに設置したい、あるいは交換したいといったご要望をいただくことは少なくありません。しかし、手洗い器の設置には考えるべきポイントがいくつかあるため、リフォームする前にしっかりと計画しておく必要があります。
そこで今回は、トイレの手洗い器の種類や費用相場、適切な配置、成功のコツなど、知っておきたいポイントを複合的に解説します。
トイレの手洗い器2種類のメリット・デメリット
トイレの手洗い器には、トイレと一体になった「トイレ一体型」と、別に設置する「独立型」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、両者の特徴を理解して最適なタイプを選びましょう。
トイレ一体型
トイレ一体型の手洗い器とは、トイレのタンク上に手洗い器が設置されているタイプです。
メリット |
・省スペース ・費用が抑えられる |
デメリット |
・手洗いスペースが狭い ・小さな子どもや高齢者には使いづらい ・デザインの選択肢が少ない |
トイレと手洗い器が一体となっているため、設置スペースを最小限に抑えることができるため、狭いトイレ空間では大きなメリットと言えるでしょう。
また、タンクと手洗い器がセットになっており、個別に設置する場合と比べて費用を抑えることができるのもメリットです。
一方でタンク上に設置されているため、手洗いスペースが狭く、手を洗う際に水がはねたり、使い勝手が悪かったりする場合も考えられます。また、便座よりも奥に手洗いスペースがあるため、小さな子どもや高齢者は手が届きにくいのもデメリットの一つです。
さらに、独立型の手洗い器に比べて、デザインのバリエーションが少ないため、トイレ全体の雰囲気にこだわりたい方には不向きかもしれません。
独立型
トイレとは別に設置する、独立型手洗い器は、タンクレストイレ(水を貯めるタンクのないトイレ)の場合には必須になります。
メリット |
・デザインが豊富 ・手洗いスペースを広くとれる |
デメリット |
・設置スペースが必要 ・一体型より費用が高くなる |
デザインやサイズが豊富なのが最大のメリット。インテリアに合わせて、空間に最適なものを選ぶことができます。大きめの手洗いボウルを選べば、水はねの心配も少なくなります。
ただし、設置スペースが必要になること、トイレ一体型に比べて費用が高くなる場合があることはデメリットといえるでしょう。設置スペースを確保するのが難しい場合は、コンパクトな壁付けタイプも検討できます。
独立型手洗い器には、主に以下の3つの種類があります。それぞれの特徴を理解して、ご自宅に合ったタイプを選びましょう。
キャビネットタイプ
キャビネット一体型の手洗い器は、収納力とデザイン性を兼ね備えた人気のタイプです。限られたスペースにも設置できるコンパクトなものから、ゆとりある空間を演出する大型のものまで、さまざまなサイズが展開されています。
メリット |
・空間をすっきり見せられる ・収納がついている |
デメリット |
・狭いトイレには適さないこともある ・十分な収納スペースが確保できないこともある |
キャビネットタイプは、洗面台のようにボウルとキャビネットが一体となっているため、見た目もすっきりとしています。また、キャビネット内の収納スペースにトイレットペーパーや掃除用具などを収納できるため、トイレのインテリアを邪魔することもありません。
一方で、キャビネットタイプは他のタイプに比べて前に出っ張っているため、狭いトイレへの設置は難しい場合があります。事前にトイレの寸法を測り、設置可能かどうか確認しましょう。
また、コンパクトなキャビネットを選んだ場合、収納が不足し、別の収納場所を考えなければならないケースもあります。
壁付けタイプ
壁付けタイプは、その名の通り壁に直接取り付けるタイプの手洗い器です。手洗い器を壁に掛けるタイプと、壁に埋め込むタイプの2種類があります。
メリット |
・狭いトイレにも設置しやすい ・手洗い器の足元が邪魔にならない |
デメリット |
・収納が不足する ・埋め込みタイプは大掛かりな工事になることもある |
壁付けタイプは手洗い器の足元がすっきりするため、狭いトイレでも移動の邪魔になりません。壁に埋め込むと出っ張りが少なくなり、より省スペースに設置できます。
ただし、手洗い器そのものに収納スペースがないため、トイレの中に別途収納スペースを設けなければなりません。また、壁に埋め込むタイプは工事が大掛かりとなり、工期や費用が増える原因となります。
もし壁の強度が低ければ、別途補強工事が必要になることもデメリットの一つです。
カウンタータイプ
カウンタータイプは、空間に広がりと高級感を与える人気の高い選択肢です。洗面台のような感覚で利用でき、ゆとりある手洗いタイムを演出します。
メリット |
・デザインの自由度が高い ・おしゃれなトイレを実現できる |
デメリット |
・価格が高め ・設置スペースが必要 |
メリットは、デザインの自由度が高いことです。設置する場所や好みに合わせて、サイズや手洗いボウルの形状、素材をカスタマイズできるため、足元をすっきりさせるもよし、キャビネットも設置するもよしと、自由な組み合わせを楽しめます。おしゃれなトイレを実現できるため、インテリアにこだわりがある人におすすめです。
デメリットは自由度が高い分、こだわるほど価格が高くなる点が挙げられます。また、設置するスペースも必要となるため、狭いトイレには不向きです。
トイレの広さやレイアウトに合わせた手洗い器の最適な配置
前提条件として、トイレの広さが0.4坪以下の場合、出入りに影響を与えることから独立型の手洗い器の設置は難しくなります。もしご自宅のトイレが0.4坪以下であれば、トイレ一体型を検討しましょう。
トイレの広さ別
トイレの広さは、設置できる手洗い器のサイズや種類に大きく影響します。ここでは、一般的なトイレの広さ別に、最適な手洗い器の設置について解説します。
広さ(坪) | レイアウト例 | おすすめ手洗い器タイプ |
0.4坪 | 便器に対して横配置が一般的 | ・壁付け |
0.5坪 | 対面配置も可能 |
・壁付け ・コンパクトなキャビネットタイプ |
0.75坪 | 横配置でゆとりある空間に |
・キャビネットタイプ ・カウンタータイプ |
1坪 | 横配置で大型のタイプも設置可能 |
・キャビネットタイプ ・カウンタータイプ |
0.4坪のトイレは非常に狭いため、コンパクトな手洗い器を選ぶことが重要です。壁付けの小型タイプや、コーナーに設置できるタイプがおすすめです。収納スペースを重視するよりも、空間を広く見せる工夫をしましょう。
0.5坪になると、対面配置も選択肢に入ってきます。壁付けタイプか収納一体型のキャビネットタイプを設置することで、限られたスペースを有効活用できます。
0.75坪あれば、比較的ゆとりあるトイレ空間を実現できます。横配置でカウンター付きの手洗い器を設置すれば、使い勝手も向上します。収納スペースも確保できるので、掃除用品や予備のトイレットペーパーなどを収納できます。
1坪のトイレは広々としているため、大型のキャビネットタイプや、デザイン性の高いカウンタータイプを設置することができます。収納力も抜群なので、トイレ空間をすっきり整理できます。
ドアの位置や便器の位置との関係性
トイレのドアと便器の位置関係は、設置できる手洗い器のサイズや種類を大きく左右します。
例えば、ドアが便器の正面にある場合、手洗い器は便器の左右どちらかの前方に設置することになります。限られたスペースでも設置できる奥行きの浅い小型の手洗い器や、コーナー用の手洗い器を選ぶとよいでしょう。
一方、ドアが便器の側面にある場合は、設置できる手洗い器の選択肢が広がります。便器の正面の壁に手洗い器を設置できるため、奥行きのあるタイプや、収納スペースの広いキャビネットタイプも設置可能です。
また、ドアが便器の側面にある場合でも、ドアの位置が壁の端にあるか、中央寄りにあるかで設置できる手洗い器のサイズが変わります。ドアが壁の端にある場合は、奥行きが限られるため、コンパクトな手洗い器を選ぶ必要があります。ドアが中央寄りにある場合は、奥行きのある手洗い器や、収納を兼ね備えたキャビネットタイプも設置可能です。
配管の位置の確認
トイレに手洗い器を設置するリフォームは、既存のトイレのタイプや建物の構造によって制約を受ける可能性があります。
確認箇所 | 確認事項 |
給水管 | 手洗い器を設置する位置に給水管が来ているか、または給水管を延長できるか確認。リフォーム前はトイレ一体型だった場合、手洗い器用に新たに配管を引いてくる必要がある。 |
排水管 | 手洗い器の排水管を既存の排水管に接続できるか、または新たに排水管を設置できるか確認。マンションなど集合住宅の場合は、排水管の設置場所や方法に制約がある場合がある。 |
止水栓 | 手洗い器の給水元となる止水栓の位置を確認。止水栓が適切な位置にない場合は、移設が必要になることも。 |
特に注意が必要なのは、リフォームで手洗い器を別に設置する場合です。既存のトイレがタンク一体型で、手洗い器がなかった場合は、新たに給水管と排水管を敷設する必要があります。
この場合、壁や床を壊す必要があるため、工事費用が高額になる可能性も。また、マンションなどの集合住宅では、管理規約によって配管工事の制限がある場合もありますので、事前に確認が必要です。
配管の位置によっては、希望する手洗い器を設置できない場合もあることを覚えておきましょう。例えば、給水管や排水管の位置が手洗い器の設置場所から遠い場合、配管を延長する必要があり、費用がかさむだけでなく、美観を損なう可能性があります。
タイプ別手洗い器のリフォーム費用相場
下表を見ると、独立型は一見リーズナブルに見えますが、トイレリフォームで同時にトイレ本体を交換する場合(例えば、タンク式トイレからタンクレストイレへ変更する場合など)は、トイレ本体の費用も必要になるため、総額は一体型よりも高くなるケースが増えます。また、手洗い器を自動水栓にしたり、グレードの高いタイプを選んだりすると、相場価格よりも高額になります。
以下では、それぞれのタイプ別の費用相場を詳しくご紹介します。
手洗い器のタイプ | 費用相場 |
トイレ一体型(トイレ本体を含む) | 8~20万円 |
【独立型】キャビネットタイプ | 10万円~ |
【独立型】壁掛けタイプ | 6万円~ |
【独立型】カウンタータイプ | 8万円~ |
●トイレ一体型
トイレ一体型の場合、トイレ本体を交換することになり、費用は8~20万円程度必要です。ただし、トイレのグレードにも左右されるため、ハイグレードなものを選べばこれ以上の費用が必要になります。
●【独立型】キャビネットタイプ
交換 | 10~15万円 |
新設 | 15~20万円 |
キャビネットタイプの費用相場は、同じ場所に設置する場合は10~15万円程度です。新たに手洗い器を設ける場合や、既存の位置から移動させたい場合などは、別途配管工事が必要となるため、15~20万円程度必要になります。
●【独立型】壁付けタイプ
交換 | 6~12万円 |
新設 | 壁付け/12~15万円 |
埋め込み/18万円~ |
壁掛けタイプは6~12万円と、手洗い器の中ではリフォーム費用が抑えやすいのが特徴です。新設の場合も配管工事込みで12~15万円程度で設置できるでしょう。
ただし、埋め込みタイプを選択する場合は、壁を剥がし壁紙を張り替えるなどの内装工事が必要となるため、18万円以上の費用が必要です。
●【独立型】カウンタータイプ
交換 | 8~12万円 |
新設 |
14~17万円 |
カウンタータイプを交換した場合の費用相場は8~12万円、新設で14~17万円ですが、これはカウンターの上に手洗いボウルを設けたシンプルなものを選んだ場合の目安です。大型のキャビネットを設置したり、フルオーダーしたりすると、20万円以上は必要となります。
手洗い器を含めたトイレリフォームを成功させるコツ
トイレリフォームを成功させるためには、手洗い器の設置場所や予算、機能性を考えるだけでなく、実物を見たり、慎重に業者を選んだりすることが大切です。そこで、手洗い器を含めたトイレリフォームを成功させるためのコツを解説します。
事前のプランニング
トイレリフォームで手洗い器を設置する際、事前のプランニングはリフォーム成功の鍵となります。設置場所、予算、機能について明確にしましょう。
チェックポイント |
詳細 |
設置場所 |
・トイレ内のどこに設置するのか? ・設置可能なスペースは? ・配管の位置はどこにあるのか? ・ドアや便器の位置との関係性は考慮しているか? |
予算 | ・設置費用はどれくらいまで? |
機能 |
・手洗い器のタイプは? ・収納スペースは必要? ・自動水栓などの機能は必要? |
まず、設置場所を検討します。加えてトイレ内の広さや、ドアや便器との位置関係を考慮し、最適なタイプを選びましょう。次に、予算を明確にしましょう。本体価格だけでなく、工事費込みの総額で予算の上限を決め、その範囲内で設置可能な手洗い器を選んで見積もりを取るようにしましょう。
最後に、必要な機能をリストアップします。手洗い器の形状だけでなく、収納スペースの有無や自動水栓などの機能も考慮しましょう。家族構成や生活スタイルに合った機能を選ぶことで、より快適なトイレ空間を実現できます。
ショールーム見学で実物を確認
トイレリフォーム、特に手洗い器の設置を検討する際には、ショールーム見学が大きな助けとなります。カタログやウェブサイトでは伝えきれない、実物ならではのサイズ感や素材感、使い勝手などを確認できるからです。
さまざまなタイプの手洗い器を実際に見て触れることで、それぞれのデザインや機能性を比較検討できます。「思ったより使いづらいかも」「候補に挙がってなかったけれど、意外としっくりくるかも」など、思わぬ発見があるかもしれません。
さらに、ショールームでは専門スタッフに相談することも可能です。トイレの広さやレイアウト、家族構成などを伝えれば、最適な手洗い器のタイプや設置場所、商品を提案してもらえます。
相見積もりで業者を比較検討
納得のいくリフォームを行うには、信頼できる業者選びが重要です。相見積もりを取って比較検討することで、適正価格で質の高いサービスを提供してくれる業者を見つけることができます。
複数の業者に見積もりを依頼し、料金だけでなく、提案力や対応にも注目しましょう。その際「相見積もりでお願いしています」と伝えれば、業者もそのように対応してくれますので、負い目に感じる必要はありません。
業者と綿密な打ち合わせを行う
リフォームを成功させるためには、業者との綿密なコミュニケーションが不可欠です。満足のいくリフォームのためには、リフォーム業者と積極的にコミュニケーションを取り、希望や不安な点を共有することが大切です。疑問点があれば、その都度確認しましょう。
事前の打ち合わせでは、どのようなトイレにしたいのか、具体的なイメージや希望を伝えましょう。写真や図面などがあれば、より具体的にイメージを共有できます。予算や工事期間についても事前に相談しておきましょう。
工事期間中は、業者と定期的に連絡を取り合い、進捗状況や問題点などを共有することで、スムーズなリフォームを実現できます。
トイレリフォームをするなら北九州市八幡西区のリフォーム専門店・カネタケへ
有限会社カネタケは、昭和36年の創業以来、地域密着型の住まい改修の専門企業として、北九州市を中心とした地域で多くの実績を積み重ねてきました。
「お客様の幸福を追求する」という理念のもと、お客様一人ひとりのニーズに寄り添った丁寧なサービスを提供しています。
手洗い器を含めたトイレリフォームは、設置場所や費用など、考えるべきポイントがたくさんあります。理想のトイレを叶えるには、水回りのリフォーム工事が得意なカネタケへ。
手洗い器の設置場所や種類、費用など、お客様のトイレの状況やご希望に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、安心してお任せください。
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