かつて「畳」といえば、和室の象徴である伝統的な縁あり畳が主流でした。しかし近年、正方形の縁なし畳が登場し、そのコーディネートの幅は格段に広がっています。
和の空間はもちろん、モダンな洋室にも調和するようになった畳ですが、よりおしゃれな空間を演出するには、果たしてどのような種類の畳を選べばよいのでしょうか。
この記事では、現代のインテリアに映えるおしゃれな畳の種類を深掘りし、畳の基本的な知識から、具体的なコーディネート例、さらにおしゃれに見せるためのポイントまで、幅広く紹介します。
畳の選び方の基礎知識

一口に畳といっても、サイズや素材、仕上げ方によって、空間に与える印象は大きく変わります。理想の畳を選ぶためには、まずは畳に関する基本的な知識を知っておきましょう。
畳のサイズ
畳のサイズは、主に京間(きょうま)・江戸間(えどま)・中京間(ちゅうきょうま)・団地間(だんちま)といった地域ごとの規格と、現代の住宅で広く採用される琉球畳(りゅうきゅうたたみ)などの半畳サイズに分けられます。
種類 |
大きさ |
京間 |
191cm×95.5cm |
江戸間 |
185cm×92.5cm |
中京間 |
182cm×91cm |
団地間 |
170cm×85cm |
琉球畳 |
88cm×88cm |
京間・江戸間・中京間・団地間は主に一般的な和室でよく見られる、敷き込みタイプの畳です。これらは地域や誕生した時期によってそれぞれサイズが異なり、和室自体がその畳のサイズに合わせて作られています。そのため、畳を交換する際は、現在使っているものと同じ種類の畳を選ぶ必要があります。
一方、琉球畳は、一般的な畳とは異なり、正方形のサイズが特徴です。和室に敷き込むタイプのほか、フローリングの上に置くだけで使えるタイプもあるため、和モダンな空間を手軽に演出したい場合にもおすすめです。
畳の素材
昔ながらの畳はイ草という植物を使用して作られていました。しかし、現在は和紙や樹脂といった新しい素材で作られた畳も増えています。それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。
素材
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特徴
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メリット
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デメリット
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イ草
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伝統的な畳の素材
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・イ草独特の香りが楽しめる
・調湿機能がある
・適度な弾力性がある
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・カビやダニが発生しやすい
・水分や汚れを吸収しやすい
・摩耗に弱い
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七島イ
(しちとうい)
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琉球畳に用いられるイ草の一種
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・イ草の5~6倍も丈夫
・耐火性が高い
・経年変化が楽しめる
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・手作業で編む必要があり、七島イが貴重なため高価になりやすい
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和紙
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和紙をこより状にして樹脂コーティングしたもの
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・丈夫で変色しにくい
・カラーバリエーション豊富
・カビやダニが発生しにくい
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・イ草ならではの香りがない
・イ草よりも硬い
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樹脂
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ポリプロピレンなどの樹脂を素材にしたもの
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・カビやダニが発生しにくい
・お手入れが簡単
・丈夫で長持ちする
・カラーバリエーション豊富
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・調湿機能がない
・手触りが硬く、冷たさを感じることもある
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素材が異なると、手触り、香り、機能、価格も異なります。実際に見て触れて比較検討したい場合は、リフォームを依頼する予定の施工業者にサンプルを見せてもらうとよいでしょう。
畳の仕上げ
畳の仕上げには「縁あり」と「縁なし」の2種類があります。縁ありは、一般的な和室に用いられるへり付きの畳のこと。一方、縁なしは、琉球畳に代表されるようなへりのない畳を指します。
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縁あり
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縁なし
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特徴
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伝統的な和の印象
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モダンな印象
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サイズ
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長方形が一般的
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半畳(正方形)が一般的
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デザインの自由度
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限定されやすいが、縁は好みのデザインが選べる
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色や敷き方で印象を自由に変えられる
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それぞれ特徴やメリットがあるため、好みのイメージに合わせて選びましょう。
おしゃれな畳の種類
近年、畳は和室の定番というだけでなく、リビングの一角やモダンな洋室にも取り入れられる「おしゃれアイテム」としても注目されています。ここでは、現代のインテリアに映える、魅力的な畳の種類をご紹介します。
和紙畳・樹脂畳
和紙や樹脂でできた新素材の畳は、イ草とは異なり、自由に染色できるのが大きな特徴です。そのため、従来のイ草畳では考えられなかったブラックやピンクのような個性的なカラーを含む、豊富なカラーバリエーションが展開できるようになりました。
また、2~3色を組み合わせたモダンなデザインの製品も増えており、お部屋の雰囲気に合わせて選べます。機能性にも優れていることから、伝統的な長方形の畳から最近人気の正方形の畳まで幅広く用いられています。
琉球畳

琉球畳は、もともと七島イという植物を使った縁なし畳のことを指していました。しかし、現在では和紙や樹脂を素材として使うことが増え、縁のない正方形の畳全般を「琉球畳」と呼ぶことが増えました。
正方形の琉球畳は、一般的な長方形の畳と比べて、モダンで洗練された印象を与えます。特に、畳の目の向きを互い違いに敷く「市松敷き」にすると、光の当たり方によって色の濃淡がくっきりと出て市松模様に見え、単色でも奥行きと立体感のある空間を演出できます。和室だけでなく、リビングなどのフローリング床に敷くだけでも、一気に「和モダン」な雰囲気を醸し出せるでしょう。
また、琉球畳のような正方形のデザインは、レイアウトの自由度が高いのも大きな魅力。部屋の形に合わせて組み合わせを変えたり、部分的に敷いてアクセントにしたりと、従来の畳では難しかった多様な使い方が可能です。
縁あり畳

畳の雰囲気を大きく左右する要素の一つが「縁」です。最近では花柄や幾何学模様、キャラクターものなど、デザイン性の高い縁や個性的な縁が登場しています。
畳の縁は、部屋のアクセントカラーになったり、全体の雰囲気を引き締めたりする効果があります。例えば、モダンな和室には幾何学模様の縁を、キッズスペースや子供の遊び場には明るい色の畳表と合わせて可愛らしいキャラクター柄の縁を選ぶと、自分だけのこだわりの空間を演出できるでしょう。縁の色や柄を変えるだけでも、空間の印象がガラリと変わり、手軽にお部屋の模様替えが楽しめます。
おしゃれな畳のコーディネート例
ここでは、畳を使ったおしゃれなコーディネート例をご紹介します。
和モダン

足元に間接照明を施した小上がりスペースに、琉球畳を使用した事例です。ベーシックな若草色の琉球畳は、どんなインテリアにもしっくりなじみ、落ち着いた和のムードにモダンな雰囲気を加えています。間接照明が畳の質感を引き立て、より一層落ち着いた雰囲気を作り出しています。
洋風

置き敷きタイプの畳を設置した事例です。大掛かりなリフォームなしに、リビングの一角を手軽なくつろぎスペースに変えられるのが、置き敷き畳の魅力。畳の配置を自由に換えられるため、模様替えも気軽にできます。たとえば、明るいベージュとブラウンの畳を組み合わせれば、ナチュラルテイストの洋室にも自然になじみ、温かみのあるおしゃれな空間を演出できます。「和室を作るのは難しいけれど、気軽に畳を取り入れたい」という方にぴったりの方法です。
ナチュラル

若草色をベースに、銀白色などをミックスした琉球畳を使った小上がり和室の事例です。琉球畳を採り入れると、空間がぐっとモダンな印象になります。フローリングとの相性も良く、和の趣を感じさせる照明や、やさしい木の質感が伝わる家具と組み合わせることで、ナチュラルで温かみのある雰囲気に仕上がりました。
和風

障子や地窓のある伝統的な和室の事例です。柔らかな印象の灰桜色のような畳表(たたみおもて)に、あえてくすんだ色味の縁を合わせて上品な雰囲気に仕上げました。
障子からの優しい光が室内を包み込み、地窓の上部に設けた吊り押入れが、空間に広がりとすっきりとした印象を与えています。和の趣を大切にするなら、やはり縁あり畳をおすすめします。
畳をおしゃれに見せるポイント
おしゃれな畳を選んだはずなのに「なんだかイメージと違う…」と感じることがないよう、押さえておきたいポイントをいくつかご紹介します。
壁紙の色とバランスを考える

畳をおしゃれに見せるには、壁紙とテイストを合わせるのが基本です。たとえば、華やかな花柄のアクセントクロスを用いた部屋に、伝統的な縁あり畳を合わせてしまうと、それぞれのテイストが異なり、ちぐはぐな印象を与えかねません。
もし落ち着いた和の雰囲気を演出したいのであれば、縁あり畳には、和紙調や織物調といった和の要素を取り入れた壁紙を選ぶのがおすすめです。空間全体をトータルコーディネートすることで、洗練された統一感のある仕上がりになります。
家具は最小限にする

畳の空間をおしゃれに演出する秘訣は、家具やインテリア雑貨を最小限に抑えることです。畳は、その素材や色、織り目自体が持つ「余白」と非常に相性が良く、物を詰め込みすぎると雑多な印象になりやすいためです。
例えば、お気に入りの座布団やクッションを厳選して配置する、収納は扉付きにして生活感を隠すなど、「見せるもの」と「隠すもの」を意識した空間づくりを心がけましょう。すっきりと居心地の良い畳スペースに仕上がります。
間接照明を取り入れる

畳の空間に間接照明を取り入れると、光の陰影で空間に奥行きとメリハリが生まれ、ぐっとおしゃれな雰囲気に変わります。お部屋全体をリフォームするなら、天井や床に間接照明を設置するのもいいですが、手軽に導入するなら工事不要で設置できるフロアライトやテーブルライトなどの置き型の照明器具を活用しましょう。
特に、和紙を使ったものなど、和の趣を感じさせるデザインの間接照明を選ぶと、空間にしっくりとなじむうえ、やわらかく優しい光で畳の質感をより際立たせてくれます。
畳のメンテナンス方法

せっかくこだわっておしゃれな畳を選んだのであれば、適切にメンテナンスして畳のある暮らしを長く楽しみたいものです。ここでは、素材別にメンテナンス方法をお伝えします。
イ草
畳の日常的な掃除には、ほうきか掃除機を使用しましょう。どちらの場合も、大切なのは畳の目に沿って優しく動かすこと。畳の目に逆らって掃除すると、イ草が毛羽立ちやすくなり、畳の劣化を早める原因になるので注意しましょう。
月に一度は、固く絞った雑巾で丁寧に拭き掃除をすることをおすすめします。このときも、必ず畳の目に沿って拭くようにしましょう。拭き終わったら、水分が残らないようにしっかりと乾拭きをして、湿気を取り除くことも忘れずに行ってください。
和紙・樹脂
和紙畳・樹脂畳ともに、日常のお手入れには掃除機を使用します。畳の目に沿って力を入れずに掃除機をかけましょう。また、軽い汚れが気になる場合は、水で濡らして固く絞った雑巾で畳の目に沿って拭き取ってください。
和紙や樹脂製の畳は撥水性がありますが、水分を多く含ませすぎると、加工が劣化している部分から水が入り込む可能性があります。拭いた後は、必ず乾いた布で水分を拭き取り、しっかりと乾燥させましょう。
北九州市や中間市でおしゃれな畳にリフォームするなら有限会社カネタケへ

有限会社カネタケは、昭和36年の創業以来、地域密着型の住まい改修専門企業として、北九州市を中心に多くの実績を重ねてきました。「お客様の幸福を追求する」という理念のもと、お客様一人ひとりのニーズに寄り添ったサービスを提供しています。
お客様の理想の空間づくりをサポートするにあたり、私たちは住宅建材の多様な魅力にも注目しています。特に、畳は単なる床材ではなく、お部屋の印象を大きく左右する重要な要素でもあります。畳を魅力的な空間にするには、畳の種類や色選びはもちろんのこと、壁紙との調和、空間の余白の活かし方、そして間接照明の配置といった要素を加えることで、まるでインテリア雑誌に出てくるような洗練された空間を創り出すことができます。
「どんな畳を選べばいいのか迷ってしまう」という場合は、ぜひカネタケにご相談ください。お客様のお部屋の雰囲気や理想に合わせて、最適な畳をご提案させていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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