内装リフォームにおいて、クロス(壁紙)選びは部屋の印象を大きく左右する重要な要素です。
クロスは目に付きやすく、広範囲に及ぶため、選択を誤ると後悔も大きくなりがちです。
では、理想の内装を実現するためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
この記事では、クロス選びのコツを段階的に解説し、部屋別のおすすめクロス、そして失敗を避けるためのポイントをご紹介します。
クロス選び【STEP1】テーマ決め
後悔しないクロス選びのためには、まず部屋のテーマを明確にすることから始めましょう。
テーマが曖昧なままだと、クロス選びの方向性が定まらず、せっかく選んだクロスが部屋全体の雰囲気にそぐわないといった事態になりかねません。
リビングはくつろぎの場、寝室は心身を休める場というように、部屋によって最適なテーマは異なります。そのため、部屋の用途に合わせて、どのような空間にしたいのか具体的なイメージを持つことが大切です。
テーマを決める際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
インテリアテーマ
・ナチュラル
・モダン
・北欧風
・和風
・和モダン
・インダストリアル など
家具の種類
手持ちの家具の種類もしくは
新しく購入する家具の種類
・木製の家具
・皮張りのソファ
・アンティーク家具 など
これらの要素を踏まえ、SNSやインテリア雑誌などを参考にしながら、理想の部屋のイメージを具体的にしていきましょう。
気に入ったインテリアを見つけたら、その傾向を分析することで、テーマがより明確になります。
クロス選び【STEP2】色・柄を選ぶ
決めたテーマに沿って、クロスの色や柄を選びます。
その際、以下のポイントを踏まえて選ぶと、テーマから逸脱しにくくなるでしょう。
色・柄の持つ効果(心理的影響)
クロスの色や柄によって、空間の雰囲気や人に与える印象は大きく変わります。そのため、それぞれの色や柄が持つ特徴を事前に把握しておきましょう。
色・柄 | 特徴 | デメリット | 相性のよいジャンル |
白 |
・清潔感 ・明るさ ・開放感 ・空間を広く見せる |
・殺風景な印象 ・明るすぎる白は緊張感を与える |
・モダン ・北欧 ・ナチュラル |
黒 |
・高級感 ・落ち着き ・空間を引き締める |
・圧迫感がある ・暗い部屋になる |
・モダン ・インダストリアル ・ホテル風 |
グレー |
・落ち着き ・上品さ ・まとまり |
・退屈な印象 |
・モダン ・北欧 ・和モダン |
ベージュ |
・温かみ ・調和 ・リラックス |
・個性を出しにくい |
・ナチュラル ・和モダン ・北欧 |
茶色 |
・安心感 ・温かみ ・落ち着き |
・保守的な印象 |
・ナチュラル ・カントリー ・アジアン |
緑 |
・リラックス ・調和 |
・他の色との組み合わせが難しい |
・ナチュラル ・北欧 ・ボタニカル |
青 |
・清潔感 ・爽やかさ ・集中力アップ |
・冷たさを感じる |
・モダン ・北欧 ・地中海 |
黄 |
・明るさ ・楽しさ ・記憶力を高める |
・落ち着きがない | ・北欧 |
赤 |
・活気 ・エネルギー |
・落ち着きがない |
・アジアン ・ヴィンテージ |
ピンク |
・華やかさ ・柔らかさ ・女性らしさ |
・トーンによっては派手すぎる |
・北欧 ・シャビーシック ・エレガント |
ストライプ |
・空間に広がりを与える ・秩序感 |
・面積が広すぎるとごちゃごちゃして見える |
・モダン ・クラシック ・マリン |
花柄 |
・華やかさ ・優雅さ |
・エレガント ・カントリー ・シャビーシック |
|
幾何学模様 |
・スタイリッシュ ・個性的 |
・モダン ・ミッドセンチュリー |
|
木目調 |
・安心感 ・リラックス効果 |
・ナチュラル ・和モダン ・北欧 |
部屋の広さと色の関係
部屋の広さと色の関係性は、インテリアデザインにおいて非常に重要な要素です。
色の選び方によって、部屋の広さの感じ方が大きく左右されます。
以下に、その関係性と具体的な色の選び方について詳しく説明します。
色の効果 | 説明 | 色 |
膨張色 | 実際よりも広く見せる効果がある | 白、ベージュ、パステルカラー |
収縮色 | 実際よりも狭く見せる効果がある | 黒、トーンの低いグレー・青・緑 |
進出色 | 実際よりも近くに感じさせる効果がある | 赤、オレンジ、黄色 |
後退色 | 実際よりも遠くに感じさせる | 青、緑 |
<狭い部屋の場合>
開放感を演出し、空間を広く感じさせるには、白やベージュ、明るいパステルカラーなどの膨張色を基調とするのが効果的です。
さらに、寒色系の後退色をアクセントとして取り入れることで、奥行きが生まれ、より一層広がりを感じさせることができます。
<広い部屋の場合>
広い部屋では、濃い色や暖色系を使用しても圧迫感を感じにくいため、比較的自由に色を選ぶことができます。
落ち着いた雰囲気を演出したい場合は、濃い色をアクセントとして取り入れるのがおすすめです。
ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの考え方
インテリアの配色を決める上で基本となるのが、
ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーという3つの要素です。
一般的に、「ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=70:25:5」の割合が良いとされており、このバランスを意識することで、まとまりのある美しい空間を作り出すことができます。
では、それぞれの役割と選び方のポイントを詳しく見ていきましょう。
ベースカラー
部屋全体の土台となる色であり、最も広い面積を占めます。落ち着きや安定感を与え、空間の雰囲気を大きく左右します。
○使用箇所:壁、床、天井など、部屋の大部分を占める箇所
○ポイント:飽きのこない、白・ベージュ・グレーなどのニュートラルカラーがおすすめです。
メインカラー
部屋のテーマとなる色であり、インテリアの中心となる色です。個性を表現し、空間の印象を決定づけます。
○使用箇所:家具、カーテン、ラグなど、部屋の中で目立つ箇所
○ポイント:好きな色やテーマに合った色を選んで問題ありません。ただし、ベースカラーとの相性を考慮しましょう。ベースカラーと同系色でまとめると、統一感のある空間になります。
アクセントカラー
空間にメリハリやアクセントを加える色です。個性を際立たせ、空間に深みを与えます。
○使用箇所:クッション、小物、絵画など、部屋のポイントとなる箇所
○ポイント:メインカラーと対照的な色や、鮮やかな色を選ぶと効果的です。アクセントカラーの分量を調整することで、空間の印象をコントロールできます。
クロス選び【STEP3】機能性クロスを取り入れる
汚れや水に強いなど、特定の機能を持つクロスがあります。部屋の種類や、クロスの使用場所に応じて、適切な機能性クロスを選ぶと良いでしょう。
クロスの種類 | 説明 | おすすめの場所 |
消臭・抗菌クロス | 生活臭(タバコ、ペット、トイレなど)や、有害物質(ホルムアルデヒドなど)を吸着・分解する。 | トイレ、洗面所、キッチン、玄関など |
防汚クロス | 表面に特殊な加工が施されており、汚れが付きにくく、落としやすい。油汚れや水汚れに強いタイプもある。 | キッチン、ダイニング、子ども部屋、玄関など |
表面強化クロス | 通常のクロスよりも表面が強化されており、傷や衝撃に強い。 | 子ども部屋、ペットがいる部屋、廊下など |
防カビクロス | カビの発生を抑制する機能があり、湿気の多い場所での使用に適している。 | 浴室、洗面所、クローゼットなど |
吸放湿クロス | 室内の湿度を調整する機能がある。結露やカビの発生を抑制する効果も期待できる。 | 寝室、リビング、クローゼットなど |
ただし、機能によって価格が異なるため、予算に合わせて選びましょう。
クロス選び【STEP4】床・天井・インテリアとの組み合わせを考える
クロスの選び方は、床・天井・インテリアとの組み合わせによって、部屋の印象を大きく左右します。
おしゃれに仕上げるための選び方のコツを見ていきましょう。
床との組み合わせ
床の色は大きく分けて、白、グレー、ライトブラウン、ブラウン、ダークブラウン、黒の6種類があります。
例えば、ライトブラウンの床に白のクロスを合わせるなど、床の色味に合わせてクロスを選ぶと、部屋に統一感が生まれます。
反対に、床の色味と対照的な色味を組み合わせると、空間にメリハリが生まれます。
天井のクロスとの組み合わせ
基本的に天井は、白のクロスを使用するのがおすすめです。白を用いることで空間に広がりをもたらします。
寝室など落ち着きのある雰囲気にしたい場所には、グレーや木目調などのクロスを用いると、心地良い囲まれ感でリラックス空間を演出できます。
インテリアとの組み合わせ
家具とクロスの色の組み合わせは、部屋の印象を大きく左右します。
統一感を重視するなら、家具とクロスを同系色でまとめるのがおすすめです。落ち着いた、まとまりのある空間を演出できます。
一方で、メリハリのある個性的な空間を目指すなら、反対色に近い色を使ってコーディネートするとよいでしょう。互いの色が引き立ち、空間に奥行きが生まれます。
木製家具を置くなら、木目調やアースカラーのクロスがぴったりです。自然素材の温かみが加わり、居心地の良い空間になるでしょう。
さらに、カーテンやラグといったファブリックの色とクロスの色を合わせることで、より一層統一感が生まれます。
ただし、柄物同士を組み合わせる場合は、柄の大きさに注意が必要です。バランスを考えて選ばないと、空間がごちゃごちゃして見える可能性があります。カーテンやラグに柄物を取り入れる場合は、クロスは無地にするのがおすすめ。そうすることで、柄物が際立ち、洗練された空間になります。
【部屋別】クロスの選び方のコツ
ここからは、部屋別にクロスの選び方のコツをご紹介します。
●リビング(LDK)
リビングは家族が長く過ごす場所です。好みによりますが、リラックスできる色や柄のクロスを選ぶと良いでしょう。
たとえば、クロスは明るいグレーを選び、床材は人気のヘリンボーン柄を採り入れてみましょう。モダンな印象でありながらも、明るめのクロスを選ぶことで、空間に広がりを演出できます。
アクセントタイルを採り入れるときは、クロスはできるだけシンプルな色がおすすめ。こちらは全体のクロスを白にすることで、アクセントタイルや家具が際立っています。
シックな雰囲気が好みなら、リビングのクロスをダークカラーにするのも良いでしょう。家具は木目調で統一すると、柔らかさも加えられます。
●寝室
寝室は安眠を促すような、落ちついた色柄のクロスを選びましょう。基本的には落ち着いたトーンの白をベースにすると、失敗しにくくなります。
シンプルな寝室を目指すなら、柔らかい色合いの白を選ぶのがおすすめです。どんなインテリアにも馴染みやすく、リネンに鮮やかな色を採り入れても、空間全体がまとまります。
リラックス効果を高めたいなら緑のアクセントクロス、安眠効果を高めたいならブルーのアクセントクロスを採り入れるのもよいでしょう。ランプシェードやリネン類にも同じ色味を取り入れると、統一感が出ておしゃれに見えます。
限られた空間である寝室は、思い切った柄物のアクセントクロスに挑戦しやすいのもポイントです。寝室の落ち着いた雰囲気に合うボタニカル柄などを採り入れると、より心地良い空間を演出できるでしょう。
●子ども部屋
子ども部屋のクロス選びでは、ポップな色柄のクロスや、傷や汚れに強い機能性クロスを採り入れるのもおすすめです。
鮮やかなターコイズブルーのアクセントクロスを使った子ども部屋は、ポップなおもちゃとの相性も抜群で、空間全体がより魅力的に感じられるでしょう。
子ども部屋には、トレンドカラーでもある、くすみピンクのアクセントクロスを採り入れるのもおすすめです。同じピンクでも、くすんだ色合いを選ぶことで、子供の成長後も部屋に馴染みやすく、飽きにくい空間になります。
レンガ調やタイル調のアクセントクロスを子ども部屋に使うと、単調になりがちな部屋に、ユニークで遊び心のある雰囲気をプラスできます。
●トイレ・洗面所
トイレや洗面所には、消臭機能や汚れに強い機能性クロスを用いると、快適な空間になります。
縦のブルーのストライプが爽やかな印象をもたらすトイレ。狭い空間だからこそ、全面を柄物にしてもくどさが生まれません。
アースカラーと木目調のクロスでまとめると、落ち着いたおしゃれな雰囲気のトイレになります。
洗面所は、清潔感のある白でまとめるのもよいでしょう。ただし、汚れが目立ちやすいので、防汚クロスがおすすめです。
石目調のダークトーンのクロスを採用すると、高級感のあるホテルライクな洗面所になります。
●書斎・ワークスペース
書斎やワークスペースは、集中力を高めるために、落ち着いたトーンのクロスを使うのがおすすめです。
アースカラーのクロスは、目に優しく、落ち着いた雰囲気を作り出します。リラックス効果も期待できるため、作業効率の向上につながるでしょう。
濃いグレーは光の反射を抑え、目の疲れを軽減したり、集中力を高めたりする効果があります。
限られた空間であることも多い、書斎やワークスペースに白を用いると、部屋全体を広く見せる効果が期待できます。余計な情報が入らないシンプルな色だから、集中力が高まります。
クロス選びに失敗しないためのポイント
選んだクロスがイメージと異なると、その影響は大きく、後悔につながります。そこで、クロス選びで失敗しないための重要なポイントを解説します。
●大きめのサンプルで確認する
色は、面積の大小によって見え方が変化します。カタログの小さなサンプルで見る色は、広い壁面に貼った際に比べて濃く、暗く見える傾向があります。これは、広い面積では光の反射が増え、色が明るく薄く見えるためです。そのため、施工後に「思ったより明るかった」という失敗につながりやすくなります。
失敗を防ぐためには、A4程度の大きめのサンプルを入手し、実際に壁に当てて確認しましょう。また、太陽光と照明下では色の見え方が変わるため、時間帯を変えてチェックすることも重要です。
●素材感を確認する
クロスには光沢、マット、凹凸など、さまざまな質感があります。仕上がりイメージとのズレを防ぐには、A4判の大きめサンプルで光の反射具合を確認しましょう。
特に、光沢のあるものや凹凸のあるクロスは、光の当たり方によって見え方が大きく変わります。サンプルを壁に貼って、少し離れた場所から見て、イメージと相違がないかを確認しましょう。
●プロのアドバイスを参考にする
自分ではクロスの選び方に自信がないという方は、プロの力を借りることも検討しましょう。
プロはクロスの種類、素材、機能性に関する深い知識と豊富な経験を持ち合わせており、部屋の広さ、用途、インテリアのテイストを考慮して、最適な提案をしてくれます。
照明や家具との組み合わせ、色の選択といった専門的な視点からのアドバイスは、理想のおしゃれな空間を具体化する上で非常に役立ちます。3Dシミュレーションを用いて施工後のイメージを具体的に確認する方法もあります。
北九州市や中間市で内装リフォームするなら有限会社カネタケへ
有限会社カネタケは、昭和36年の創業以来、地域密着型の住まい改修の専門企業として、北九州市を中心とした地域で多くの実績を積み重ねてきました。
「お客様の幸福を追求する」という理念のもと、お客様一人ひとりのニーズに寄り添い、丁寧なサービスを提供しています。
クロスは部屋の雰囲気をガラリと変えられるからこそ、選び方のポイントを押さえる必要があります。
もし、クロス選びで迷われた際は、お気軽にカネタケまでご相談ください。
イメージしやすいA4サイズの見本をご用意できますので、実際に見て、触れて、お部屋のイメージを膨らませていただければと思います。
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