キッチンをリフォームする時に、食器洗い乾燥機(以下、食洗機)を導入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。食洗機は、食器をセットすれば自動的に洗いから乾燥まで行ってくれる便利な家電です。しかし、設置したもののあまり使わなかったという声も耳にします。
この記事では、ビルトイン食洗機を導入するメリットやデメリットを解説。食洗機の種類や選び方のポイントも紹介していますので、ぜひご覧ください。
食洗機付きシステムキッチンにリフォームするメリット
食洗機には、キッチン上に設置する「卓上型食洗機」と、キッチン本体に設置する「ビルトイン食洗機」の2種類があります。ここでは、キッチンをリフォームする時にあわせて導入をおすすめしたい、ビルトイン食洗機のメリットをご紹介します。
時間と手間が削減できる
カレーやミートソースのような頑固な汚れでも、食洗機を使えば、ボタンを押すだけで簡単に食器をきれいにできます。食洗機にセットする前に、あらかじめ大きな汚れや食べかすを取り除く必要がありますが、手洗いよりも、洗浄にかかる時間を短縮できるのがメリット。さらに、洗った後の乾燥まで行ってくれるので、水切りカゴを置くスペースも不要で、食器を拭く手間が省けます。食器洗いにかかる時間を節約し、その分、自分の自由な時間を増やせるのがうれしいですね。
衛生的
食洗機は、手洗いでは難しい50℃〜80℃の高温のお湯で食器を洗浄します。しつこい油汚れをすっきり落とすだけでなく、洗浄中に細菌を取り除けるのもポイント。洗浄力に特化した専用の洗剤と高圧水流が、お弁当箱の隅など、汚れが残りやすい部分まで行き届きます。また、食洗機を使うと、雑菌が繁殖しやすいスポンジやふきんを使う機会が減るので、キッチンをより清潔に保てます。
水道代が節約できる
手洗いで水を流しっぱなしにすると、どうしても多くの水を使ってしまいますが、食洗機は少ない水量で効率よく洗うため、大幅に節水できます。具体的にどれくらい水道代が節約できるのか、シミュレーションしてみました。
【4人家族、1日2回使用するケースでシミュレーション】※
■手洗いの場合
・1回に使う水の量:約51L
・1回あたりの水道料金:約7.9円
・1週間当たりの水道料金:約111円
・1年分の水道料金:約5,788円
■食洗機の場合
・1回に使う水の量:約8L
・1回あたりの水道料金:約1.2円
・1週間当たりの水道料金:約17.4円
・1年分の水道料金:約908円
※1㎥あたりを以下にて試算。水道料金/85.8円、下水道使用料/69.7円
※水道料金は、食洗機の機種や家族の人数、使用頻度、地域によって変動しますので、上記金額はあくまでも目安です。
食洗機を使った方が年間の水道料金を約4880円も節約できる計算になりました。食洗機は手洗いよりも少ないお湯で済むため、水道代だけでなくガス代や電気代の節約にもなります。
調理スペースを広くとれる
ビルトイン食洗機は卓上型のように、調理スペースやシンク周りの空間を占領しないため、キッチンを広々と使えます。まな板を広げたり、食材を置いたりする作業スペースが確保しやすくなるので、料理の効率もぐっと上がります。
デザイン性を損なわない
ビルトイン食洗機は、キッチンのキャビネットに直接組み込むため、扉を他の部分と同じ素材で統一できます。キッチンに溶け込み、デザインを損なうことがありません。
また、操作パネルが扉の上部に隠れているフルフラットタイプなら、正面から見ても段差や継ぎ目がなく、より洗練された印象になります。LDKの主役になりやすいオープンキッチンやアイランドキッチンにぴったりです。
生活感が出にくい
例えば、フルフラットのオープンキッチンは、来客時にシンクの中が見えやすい点が気になるかもしれません。食洗機があれば、使った食器や調理器具をその都度中に入れるだけで、シンクに洗い物が溜まらず、いつでもすっきり片付いたキッチンをキープできます。
均一に仕上がる
手洗いの場合、洗う人によって汚れの落ち具合にムラが出ることがあります。雑に洗うと、お皿の裏や箸箱の隅に汚れが残ってしまい、洗い直しが必要になることも。しかし、食洗機を使えば、誰が操作しても同じようにきれいに洗えます。
食洗機付きシステムキッチンにリフォームするデメリット
食洗機はとても便利なアイテムですが、デメリットもあります。導入してから後悔しないためにも、ぜひ知っておきましょう。
初期費用が高くなる
食洗機はシステムキッチンに標準装備されているものではなく、多くの場合、オプション商品として用意されているため、導入する場合、追加費用と工事費用が発生します。例えば、パナソニックのキッチンの場合、食洗機をオプションで追加すると、本体価格にプラスして20万円程度の追加費用が必要になります。海外メーカーや高機能なモデルを選ぶと、さらに費用は上がるでしょう。
洗えない食器もある
高温のお湯と強い水圧で洗浄する食洗機は、すべての食器に対応しているわけではありません。漆器やクリスタルガラス、アルミ製の調理器具、耐熱性のないプラスチック製品などは変形や変質の恐れがあるため、手洗いが不可欠です。普段使っている食器や調理器具が食洗機に対応しているかを事前に確認しておきましょう。
買い替えの必要がある
食洗機の耐用年数は一般的に約10年といわれており、定期的な買い替えが必要です。また、海外製・日本製問わず、幅の違う食洗機への交換は難しくなります。仮に交換できたとしても、キッチンのキャビネットを改造するなど余分な費用が発生する可能性があります。
食器をセットする手間がある
食器をきれいに洗うためには、正しい向きでセットしなければなりません。慣れるまでは食器の入れ方や並べ方に慣れるまでは手間取ったり、時間がかかったりすることもあるでしょう。
庫内のお手入れが必要になる
食洗機の庫内に残った汚れや食べかすをそのままにしておくと、故障の原因になります。そのため、日々フィルターに溜まったゴミを取り除いたり、週に一度は庫内を掃除したりするなど、定期的なお手入れが必要です。
食洗機の種類と特徴
ビルトイン食洗機には「スライドオープンタイプ」と「フロントオープンタイプ」の2種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較してみましょう。
スライドオープン
日本のメーカーで主流となっているタイプで、引き出しのようにスライドして開閉します。
・メリット
引き出し式なので、上から食器を出し入れでき、楽な姿勢で作業ができます。開閉に必要なスペースが少ないため、キッチンが狭い場合でも設置しやすいのがメリット。多くの国内メーカーが取り扱っているため、機能やデザイン、価格帯など、さまざまなモデルから選択できる点もうれしいポイントです。
・デメリット
フロントオープンと比べると容量が少ないため、家族が多いご家庭や、大きな調理器具をまとめて洗いたい場合には、物足りなさを感じるかもしれません。また、下から順に食器をセットするため、入れる順番を工夫したり、一度セットした後に食器を追加しづらかったりするなど、出し入れに手間がかかる点もデメリットです。
容量
スライドオープンタイプの食洗機には、「浅型(ミドルタイプ)」「深型(ディープタイプ)」の2種類があります。
◾️浅型
・人数の目安:1~3人
・特徴:コンパクトなサイズのため、キッチンスペースが限られている家庭に向いています。家族の人数が少ない場合や、普段洗う食器が少ない場合は、浅型で十分でしょう。また、カゴが浅いため、食洗機下の空いたスペースに収納扉を設置できます。
・注意点:収納力には限りがあるため、来客時など一度に多くの食器を洗う場合や、高さのあるグラスや調理器具は入りきらない可能性があります。
◾️深型
・人数の目安:3~6人
・特徴:浅型よりもカゴの深さがあり、容量が大きくなっているため、たくさんの食器を洗えます。食器を入れるスペースに余裕があるため、浅型よりも食器同士が密着しにくくなり、より洗い残しなくきれいに仕上がります。鍋やフライパンなどの調理器具と一緒に洗える点も魅力でしょう。
・注意点:食器が少ないときは、食洗機のスペースがもったいなく感じるかもしれません。
フロントオープン
海外メーカーで主流となっているタイプで、ドアを手前に倒して開閉し、上下のカゴを引き出して食器をセットします。
・メリット
深型のスライドオープンよりも容量が大きく、8~16人分もの食器を収納できます。食器だけでなく大きな調理器具もまとめて洗えるため、手洗いの機会を大幅に減らせます。1段ずつ食器を入れていくタイプのため、入れる順番を考える必要がない点もメリットです。
・デメリット
ドアを手前に開けるための広いスペースが必要です。かがんで食器を出し入れする必要があり、足腰に不安がある方にとっては使いづらさを感じるかもしれません。国内メーカーではパナソニックとリンナイの2社のみ(※)が取り扱っており、スライドオープンに比べて選択肢が少ないのもデメリットです。また、スライドオープンよりも価格が高くなりやすい点には注意が必要です。
※2025年8月時点
スライドオープン・フロントオープンの比較表
ここまでご紹介してきた、スライドオープンとフロントオープンの特徴を、表にまとめました。
タイプ | 家族人数 | メリット | デメリット | |
スライドオープン | 浅型 | 1~3人 |
・コンパクトなキッチンに向いている ・選択肢が多い ・デザインや機能にこだわれる |
・フロントオープンより容量が少ない ・食器を入れる順番を考える必要がある ・大型の調理器具は洗えないこともある |
深型 | 3~6人 | |||
フロントオープン | 8~16人 |
・スライドオープンよりも大容量 ・まとめ洗いが可能 ・食器を入れる順番を考えずに洗える |
・通路幅にゆとりが必要 ・かがんで食器を出し入れする必要がある ・選択肢が少ない ・価格が高い |
自分に合った食洗機の選び方
自分に合った食洗機を見つけるには、これから紹介する3つのポイントに注目してみましょう。
1.幅
ビルトイン食洗機の幅は、45cmと60cmの2種類が主流です。
・幅45cm
コンパクトサイズの食洗機で、キッチンスペースに限りがある場合に向いています。多くのシステムキッチンに対応しており、日本の住宅では一般的なサイズです。
・幅60cm
大容量タイプの食洗機です。一度にたくさんの食器や調理器具を洗えるため、まとめ洗いをしたい方におすすめです。
2.機能
食洗機の便利な機能に注目して選ぶのもよいでしょう。
・洗剤の自動投入
毎回洗剤を計量して入れる手間がなく、食器の量に合わせて自動で洗剤を投入してくれます。洗剤の入れ忘れもありません。
・除菌
UV除菌やプラズマクラスターなどにより、食器を衛生的に保つ機能です。洗う前も、乾燥後も除菌し続けてくれるので、まとめて洗うことが多くても、庫内を清潔に保てます。
・節水・省エネ
センサーが庫内の状況を感知し、食器の量や汚れが少ない場合は、すすぎ回数やお湯の温度を自動で調整してくれます。毎日の光熱費や水道代を抑えたい方におすすめです。
・可動棚
入れる食器のサイズや種類に合わせて、棚の高さや角度を自由に調整できます。これにより、大皿や高さのあるグラスから、シリコンカップ、クッキー型のような小さなものまで、効率よくすっきりとセットできるため、スペースを無駄なく使って食器を洗えます。
3.メーカー
日本のメーカーと海外のメーカーでそれぞれ特徴が異なります。使い勝手など、実際に見てみないと分からない部分が多いので、気になるメーカーがあればショールームを訪ねてみましょう。
・国内メーカー
日本の住宅事情や食器文化に合わせて作られており、省スペースで、茶碗や汁椀などが収納しやすいカゴの形状が特徴です。ヒーターによる乾燥が主流で、節水や省エネに特化したモデルが多いため、日々の光熱費を抑えたい方にぴったりです。また、アフターサービスも充実しているため、安心して長く使えます。
主なメーカー:パナソニック、リンナイ、三菱電機、LIXILなど
・海外メーカー
海外では1日分の食器をまとめて洗う習慣があるため、大容量のモデルが一般的です。洗浄力が強いため予洗いが不要な場合も多く、日々の家事の負担を大きく減らしてくれます。余熱で乾燥させる点が特徴です。
主なメーカー:Miele(ミーレ)、BOSCH(ボッシュ)、AEG(アーエーゲー)など
北九州市や中間市で食洗機付きのキッチンにリフォームするなら有限会社カネタケへ
食洗機付きのキッチンにリフォームすると、食器洗いの家事負担が減り、暮らしにゆとりが生まれます。初期費用がかかる点や定期的なお手入れが必要な点には注意が必要ですが、導入後の暮らしが快適になることを考えれば、取り入れる価値は十分ありそうです。
北九州市や中間市でキッチンの入れ替えや、食洗機付きのシステムキッチンの導入といった、キッチンリフォームをご検討中の方は、ぜひカネタケにご相談ください。丁寧なヒアリングをもとに、お客様に最適なリフォームプランをご提案いたします。
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